西郷隆盛と山岡鉄太郎(鉄舟)会見の地に立つ石碑。

西郷どんと、バナーコンテスト

夏の伝馬町通り、天駆ける馬があしらわれた街路灯44本を彩るバナーをご存じだろうか。掲げられるのは『てんま・デザイナーズ・バナー・コンテスト』での最優秀作品だ。このコンテストは、伝馬町発展会と静岡デザイン専門学校(以下、シズデ)のコラボ企画として2006年にスタート。毎年テーマが設けられ、グラフィック課の2年生がデザインを手掛けている。今年は5月下旬に伝馬町住民、伝馬町小学校の4~6年生、シズデの教職員と学生によって人気投票が行われ、6月26日(火)~9月4日(火)の間、街路灯に展示される予定。13回目を迎える今年のテーマは『明治はここから始まった!?明治維新150年「西郷・山岡会見の地 伝馬町」』。「ちょうど今、NHK大河ドラマで西郷隆盛が注目を集めていますが、ここ伝馬町にも縁があったんですよ」とは、このテーマの考案者であり、伝馬町発展会会長の塚本さん。
慶応4年(1868)、討幕のため江戸へ向かう途中、西郷は静岡に滞在していた。そこに、勝海舟の命によって訪れたのが山岡鉄太郎(鉄舟)だ。目的は、将軍徳川慶喜の処刑回避と幕府が戦意を持っていないことを伝えるため。会見の場は松崎屋源兵衛の屋敷、今でいう江川町交差点から伝馬町通りに入って左手あたり。話し合いは2日間にわたり3日目の朝、合意に至ったという。その後、江戸無血開城を決した勝と西郷による会談が成功したのは、この会見があってこそといえる。「もし西郷を止められなかったら江戸では戦が繰り広げられ、国力は疲弊したでしょう。さらに、欧米列強の介入も許し今の日本の姿はなかったかもしれませんね」と塚本さん。
明治維新から150年目となる今年。江戸という時代の平安な終焉を迎えるため、二人の武士が向き合った場が伝馬町にあったことに思いを馳せながら、伝馬町通りを歩いてみてはいかがだろう。塚本さんが営む『ヴァンファン ツカモト』でワインを傾けつつ、塚本さんと歴史談義、なんて時間も楽しそうだ。

伝馬町発展会の塚本雅英さん

いざ、盛り上がる伝馬町へ!

984年、伝馬町の有志が集まり発足した伝馬町発展会。スローガンは「歩いて楽しい伝馬町・みんなが集まるまちづくり」だ。会長を務める『ヴァンファン ツカモト』(P19)の店主、塚本雅英さんを軸に、長く愛されるイベントなどを企画運営している。「伝馬町はちょうど今、人の流れが来ているんですよ」と塚本さんが見せてくれたのは、平成29年度の通行量調査結果。伝馬町が前年度の数字から飛躍的に伸びている理由について「静岡東急スクエアのオープン、セノバやマルイのリニューアル、そして人気パン屋さんの出店など、注目される要素がちょうど重なったんですね。このいい流れが続くよう、私たちも努力を続けています」。町内で商売する店の魅力を伝えるため、『伝馬町通り商店街』のFacebookでは〝てんすけが行く!〟と題し、伝馬町のキャラクターてんすけ君が発展会加盟店、全53店に潜入してリポート。中にはレアな話題もあるので、伝馬町に行く前にはぜひご一読を!

伝馬町へ車で来たなら『静岡Pモール』へ!

静岡の街中で車を停めるとき、お店ごとの割引サービスを考えて駐車場選びで迷う人は多いはず。そんなお悩みを解決する、ありそうでなかった画期的システムが昨春登場!考案者は伝馬町『㈲関川商会』(P15)代表の関川清明さん。「静岡の松坂屋やマルイが売り上げに対して発行する駐車場割引券の発行数は、常に全国トップクラス。そのくらい静岡は車社会なんです。であれば、車で街中を訪れた時、どの駐車場に停めても様々な店で割引サービスが受けられる共通駐車券があったら便利ですよね」。そんな関川さんの思いによって実現したのが『静岡Pモール』。経済産業省から協力を得てこうした駐車場サービスシステムを作ったのは全国初。「現在は伝馬町周辺に限られますが、今後ほかのエリアにも拡張していく予定です」とうれしい計画も。では、『静岡Pモール』の使い方をご紹介!

【 How to P MALL 】

① 加盟駐車場に車を駐車。

② 加盟店で買い物をしたら駐車券を提示し「静岡Pモール共通認証券」をもらう。買い物金額に応じた駐車場割引時間が付与される。

③ 次に訪れた加盟店で買い物をしたら、②でもらった「静岡Pモール共通認証券」を提示し、買い物金額に応じた割引時間を付与してもらう。

④ 出庫時「静岡Pモール共通認証券」を提示(もしくは専用機器に挿入)するだけで各店の駐車割引サービスをまとめて受けられる。※当日限り有効