桜が咲いたよ、お茶が芽吹くよ。

美和・足久保エリアから春~初夏の便り

地元の人たちが育てた
美和の名所「美和桜並木」

2月中旬、美和小学校の東側に位置する安倍川の土手沿いが華やいだ。「美和桜を育てる会(当時は美和に桜を植える会)」が平成17年に植えた美和桜が見頃を迎えたのだ。昭和57年、安倍口小学校から分離独立する形で小学校が開校した、美和学区。これといった史跡や名勝がなかったため、美和学区自治会連合会(当時は美和学区連合町内会)が何か名所をつくりたいと発案したのが、この桜の植樹だったという。そして、地域の人たちに木の〝里親〟になってもらうことで資金を集めると共に、自分たちの桜であることを意識して成長を見守ってもらうようにした。同年、静岡市が政令指定都市となったことも記念し植樹。翌年から花をつけ始め、3年目には大きく美しく成長。年によって異なるが、だいたい2月中旬から3月中旬の間に満開を迎え、美しい桜並木をつくる。開花に合わせて桜まつりも開催、美和地区だけでなくオクシズの学区にも呼び掛けて出店や、太鼓・ダンスなどのパフォーマンスがあり盛り上がる。残念ながらコロナ禍を受けて昨年、今年は中止となったが、桜の木のもとには、華やかなその姿を一目見ようと多くの人が来訪。帰りには学区内のお店に立ち寄るなど周遊する人も。植樹から16年、大きく成長した美和桜が、地元に元気を与えている。また来年をお楽しみに。

静岡茶発祥の地から、
楽しみが広がる、つながる

静岡茶発祥の地とされる足久保地区。足久保川沿いに記念碑があり、「1244年に聖一国師が中国より、茶の種子を持ち帰りこの地に播いたのが始まりです」と記されている。駿府城にいた頃の徳川家康公も足久保で採れたお茶を愛飲、家光公の時代には将軍家御用茶として献上されていたという。そんな〝お茶のふるさと〟で、「足久保ティーワークス」(MAP 28)が新たに始めるのが「お茶のオーナー制度」。傾斜地に多い足久保の茶畑。それゆえに水はけが良く美味しいお茶を生み出すが、大型機械が入りにくく、高齢化や担い手不足が課題。そこで、茶農家でない人たちにオーナーになってもらい、持続可能なお茶生産を目指そうというのだ。オーナーには認定証を発行、畑の看板に名前を記し、年4回お茶をお届け。いろいろなお茶を楽しめ、お茶がぐっと身近になるのではないだろうか。また、新光明寺(MAP 29)では元々は茶畑だった約650坪の土地を整備し、「カサモリサン~茶畑のマルシェ~」を5月9日に開催予定。お寺が伝馬町にあった頃に行なわれていた、皮膚病などにご利益があるとされる瘡守(かさもり)稲荷の例大祭にちなんだ企画だ。飲食、雑貨、アウトドア用品など30~40店が集うという。にぎわいを生むと同時に、足久保の魅力を伝えるイベントになりそうだ。