人と人とがつながる場所

静岡で出会った人たちを応援しているごちそうマートを取材してきました。

ごちそうマート 静岡市葵区安東1-21-7 営/10:00~昼くらい ※開催日はFacebookを参照 https://www.facebook.com/gotima.hasedori/

安東一丁目、長谷通り商店街で週に数日開かれているマーケットがある。静岡放送で40年近く取材をしている鈴木俊夫さんが主宰する「ごちそうマート」だ。出店者の多くは、鈴木さんが取材先で出会った人たち。「店を一度テレビで取り上げると、次に紹介するのが難しい。それでも、長く応援していきたい」という想いから、2019年の9月に始まったこの取り組みは今年で3年目。県内に拠点を置く15~20店の中から様々な組み合わせで2~3店ほどが出店している。今年度からは月一回、松坂屋にも出張出店する予定だという。取材した日は、手作業で昔ながらのこんにゃくを作り続けている焼津の「岩崎蒟蒻店」、静岡の人や文化をつなげ、〝わ〟にすることで地域を元気にする活動をしている「しずのわ」、『かえるのる~くん』で有名な焼津のイラストレーターでごちそうマートのロゴも手掛けたやまむらともよさんの3者が出店していた。10時の開店から入れ替わり立ち替わり人が訪れ、店の人と楽しげに話す客が多く和気あいあいとした雰囲気だった。近くに住む常連の尾高さんは、「遠くに行かなくてもいろいろなものが手に入り、旅行に行った気分になるから毎回楽しみにしている」という。出店者にとってもここは貴重な場。「お客さんとの距離も近く、話をしっかり聞いてくれる方が多いため、商品の特徴を伝えて買ってもらうことができる」と岩崎さん。「ここではお客さんたちが、それぞれの商品が持つストーリーを聞いてくれる。聞いてもらえることで応援されているように感じる」としずのわの山田さんも話してくれた。出店者の3人と鈴木さんがそろって口にしたのは、「ここは、つながりが生まれる場所」という言葉。出店者同士のつながりが生まれ易く、コラボに発展することもよくあるのだという。また、鈴木さんは来店した一人ひとりに話しかけており、常連客の人たちのこともよく知っている様子。それを見ていると客と店、店と店だけでなく、個人と個人がつながるという意味を多く含んでいるのだろうと感じる。さらに鈴木さんは、取材して放送することと店舗は、両方ともメディアでありストーリーを伝える場所なのだと話してくれた。その話を聞くと、ごちそうマートの小さな店舗がテレビにも見えてくる。今日もそこにストーリーを聞きに人が集まり、つながりが生まれていくのだろう。