もちむね向井水軍まつり

今年で3回目を迎える〝もちむね向井水軍まつり〟。永禄13年(1570年)、武田家より武田水軍の根拠地となる、持舟城主に任命された向井伊賀守正重(むかいいがのかみまさしげ)氏にちなんだものだ。とはいえ、この祭りが生まれたきっかけは思いのほか軽いノリだった。「4年前に大崩のトンネルが台風で不通になったとき、駅前の交通量が減り寂しくなったんです。そこで仲間3人で『お酒を飲みながら楽しいことができたらいいね』と、居酒屋で話したのがはじまりです」と教えてくれたのは、水軍まつりの実行委員であり、用宗町内会副会長の前田篤史さん。その後、とんとん拍子で祭りが開催されることに。衣装の甲冑づくりに白羽の矢が立ったのが増井敏夫さん。初の試みとあって、インターネットで作り方を探したそう。材料は皆が寄付してくれる段ボールだが、年々腕を上げていると評判だ。
水軍まつりは、合戦武者や模擬軍船のパレード、幼稚園児の鼓笛隊演奏、用宗音頭、バンド演奏、太鼓演奏、目玉となるのは用宗を東・中・西にチーム分けして行う合戦だ。それらに加え、青空市や生しらす無料配布、くじ引きなど、とにかく内容が盛りだくさん。「節操ない内容なので(笑)、来年からはもう少し向井水軍にちなんだものにできたらと思っています」と、前田さん。今後、回数を重ねるごとに町民の声を反映し、姿を変えていくであろうこの祭り。町民が存分に楽しめる手作り行事として、町の一体感は増すことだろう。

PLAYTANKメンバーのうちの4人。中央右が代表の勝又妃奈子さん、その左がプロジェクトリーダーの梅原奈緒さん。

シーカヤック教室では地元の杉浦主税(ちから)さんやサンライト工業(P18)の代表小原広久さんが講師で活躍。

PLAYTANK×用宗を楽しくする会
サマーハウスプロジェクト

まだまだ暑さが残る9月、ここ用宗に大学生が1週間滞在した。目的はずばり「楽しむため!」。滞在したのは、静岡の大学生によって結成されたグループ、PLAYTANKのメンバー。2014年、「遊んで学ぶ!」をコンセプトに起ち上げられたPLAYTANK(発起人は現在すろーかるスタッフとして邁進中の甲賀一哲!)は、自分たちのやりたいこと・興味があることにとことん首を突っ込むのが信条。今年でいうと、8月に開催された〝泡フェス祭SHIZUOKA2017〟のボランティアスタッフとしてイベントを盛り上げ、求人情報誌で連載記事を持ち、10月末にはテレビ静岡旧社屋で行われる〝オバケンゾンビエスケープ〟でゾンビ役として来場者を震え上がらせる予定だ。
そんなPLAYTANKが用宗に滞在したのは、町民で結成された〝用宗を楽しくする会〟からの「用宗を若者パワーで盛り上げて!」というラブコールに応えてのこと。2015年にも1ヶ月という滞在期間でこの企画が行われ、経験者の甲賀いわく「町民の皆さんと仲良くなり、町の魅力が発見できてすごく楽しい体験でした」とのこと。今年は9月3~9日に一昨年同様、株式会社サン(P16参照)の研修センターに滞在。流しそうめん、船釣り、DIY、団子作り&お月見、お寺体験、サップなど、地域の人を巻き込みながらさまざまな企画が実行された。最終日、シーカヤック体験を終えたPLAYTANK代表の勝又妃奈子さん(静岡大学4年生)は「私が大人になったとき、今回用宗の方にしていただいたように若い人へ何かを伝えられる、してあげられる大人になりたいですね」と、晴れやかな笑顔で話してくれた。夏の終わり、遊びを通じて未来の自分の理想像がちょっぴり見えたようだ。

用宗港なぎさ市

1・2・4・8月以外の毎月第4日曜、用宗港の西岸壁で開催されているのが〝用宗港 なぎさ市〟。しらすやワカメといった用宗港の海産物や長田の新鮮野菜をメインに、飲食店やフリーマーケットなど、毎回40店以上が賑わいを見せる。天候に左右されない屋根付きで、ちびっ子にもお年寄りにも優しいバリアフリーなのもうれしいところ。漁協どんぶりハウスなどで用宗ならではの朝食が食べられるほか、浜焼きBBQでは地元が誇る鮮魚を堪能しよう。遊覧船での海上散歩も楽しんで。