細谷泰茲作『雲にあそぶ』

1.台風の被害で右側が倒れている様子 2.あずまやとベンチ 3.保管されているサクラ

鷹匠3丁目にある鷹匠公演を調査してきました。

鷹匠公園のあれこれ

鷹匠公園は鷹匠3丁目にある開放的な公園だ。夕方になると、子どもたちが元気に遊具で遊んだり、学生が木陰で談笑していたりとほのぼのした雰囲気を感じる。2016年に遊具などの寄付を受けて設備の交換を実施。その際、スペースを確保するために木を減らしたり、生垣を低くしたりしたことで公園内の見通しが良くなり、現在の開放的な公園となった。新たに設置されたあずまやのベンチにはテントが収納されており、あずまやに取り付けることで簡易救護所などとして活用できるなど、災害時の活用も期待される。

同時に設置されたのが細谷泰茲(ほそややすじ)さんの彫刻『雲にあそぶ』だ。近隣に住む細谷さんが、公園が改修される際に寄贈したものだという。この作品は、彫刻にある重々しさを取り除いた作品でもあるそうで、確かに雲の上で遊ぶ子どもは飛んでいきそうなくらい軽やかに感じる。春にはサクラが咲き、秋にはグラウンドにある3本のイチョウが色づくなど、楽しみの多い公園であるが、今年6月、ひときわ目立つサクラの木が内部の空洞化による倒木の危険があるとして惜しまれながらも伐採された。以前は根元から左右に立派な幹が広がっており、毎年綺麗な花を咲かせていたという。2015年の台風の被害で根元から裂け半分を失うこととなったが、公園が新しくなった後もシンボルとして残り、春には多くの人を楽しませていた。伐採後のスペースは現在小高い丘になっていて、「今後は舞台などに利用できたらと考えている」と鷹匠3丁目自治会長の赤堀さんは教えてくれた。伐採後のサクラの木を使って拍子木を作ることも計画しているという。「処分するのでなく、地域で利用することで思い出の1つでも2つでも残していきたい。何もしなければただなくなり、時が流れていくだけ。拍子木として使うことで、サクラの木があったことや、そこにあった思い出も一緒に引き継いでいけたらと思う」と話す。今までたくさんの人を楽しませてきたサクラは、新たな姿で地域を見守っていくことになりそうだ。